専門看護師になることで変わるもの・変わらないもの

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働き方や待遇面はどう変わるのか

働き方や待遇面はどう変わるのか

専門看護師になることでこれまで携わっていない、研究や教育といった分野も業務の一環となります。活躍の場が広がりますが、その分責任も増していきます。


役割が増える

専門看護師の役割は、「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」の6つです。これまで携わっていない役割が増えるため、活躍の場がさらに広がります。また、調整や教育など責任のある立場になることで看護以外の業務を任される機会も多くなります。研究活動や研修会なども業務の一環となり、看護師として大きく成長できるでしょう。
責任のある立場に置かれることで周囲の看護師たちから頼りにされる場面も多くなりますし、看護のエキスパートとして見られるため、さまざまな相談を受けることが多くなります。

給与事情

専門看護師はまだ始まったばかりの制度です。待遇のあり方などが明確に定まっていないため地域や病院ごとに差がありますが、専門看護師の資格を取得したからといって給与にほとんど影響がない病院の方が多いようです。実際、取得前後の給与を比べた調査によると手当がついたのは約15%で、昇給につながったのはわずか4%でした。70%以上の人は特に変化していないと答えていたことから、資格取得による劇的な給与アップは望めないことがわかります。資格手当をつけているのは、がん治療や小児治療などより高い専門性が要求される病院ですが、資格手当がついたとしても大体1万円前後です。しかも、専門看護師は勤務時間が日勤中心となります。夜勤の回数が減るため全体的な収入が減ってしまう可能性もあります。たとえ資格手当がついたとしても夜勤の回数が減ることを考えると、そこまで大幅に給与が増えるとはいえないのが現状です。
平均年収を例に挙げて具体的な数字を見てみましょう。看護師の平均年収は約471万円です。それに資格手当を合わせても年収は500万円に届くかどうかという程度です。
専門看護師には深い知識と高度な技術が求められます。資格を取得するのも簡単ではないため、予想に反した結果を残念に思うかもしれません。しかし、深い知識と高度な技術を持っている専門看護師は一般の看護師に比べると昇給や昇進が有利になる可能性が高いです。現時点では資格取得が給与アップにそこまで大きな影響がないとはいえ、医療の現場は社会情勢の影響を受けながら多様化しています。今後さらに高い専門性を要求されるようになれば、知識や技術があり経験豊富な専門看護師は今以上に重宝されることでしょう。よりクオリティの高い看護を実現するためにも専門看護師が適正な処遇を受けられるようにシステムを構築する必要があります。そのシステムができあがれば待遇はもっと良くなることでしょう。

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